Blog

ブログ

  1. TOP
  2. ブログ
  3. 労務の優先事項(9)ハラスメントを防止する③
2024.10.10

労務の優先事項(9)ハラスメントを防止する③

スモールビジネスの労務を徹底サポート!!

東京都目黒区の社会保険労務士、
社労士事務所SteadyStep <ステディステップ> です。


従業員の雇用に関する作業や取り組みを「労務」と呼びます。
「労務」には、
*含まれる事項の幅が非常に広い
*「法律上の義務である事項」と「法律上の義務ではない発展的な事項」とが混在している
という二つの特徴があります。


そのため、会社が労務に取り組む際には、「法律上の義務である事項」を優先することがポイントです。
この連載では、「法律上の義務である事項」の内、特に重要な10項目を紹介していきます。
(連載のまとめはコチラからどうぞ)


今回は、「カスタマーハラスメント」について紹介します。

<カスタマーハラスメントに関する世間の動向>

現在、カスタマーハラスメントの防止は法的な義務ではありません。


一方で、厚生労働省の指針(リンク先23ページ)においては、「カスタマーハラスメント防止のための措置を行うことが望ましい」とされており、
さらには、カスタマーハラスメントに関する話題がメディアで多く取り上げられるなど社会的な関心も高まっています。


このような状況から、会社としてカスタマーハラスメントに対応することの必要性・重要性が増していると言えます。

<カスタマーハラスメントとは何か>

厚生労働省の資料では、カスタマーハラスメントを以下のように定義しています。


『 顧客等からのクレーム・言動のうち、
当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、
当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの 』

引用:【厚生労働省】カスタマーハラスメント対策 企業マニュアル 7ページ

とても難しい言い回しですが、
「要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当」
という部分を言い換えるならば、

*要求内容に妥当性(正当な理由や根拠)がなければ、手段や態度に関わらずカスタマーハラスメントに該当する
*要求内容に妥当性があっても、手段や態度が悪質であればカスタマーハラスメントに該当する

ということになります。


また、カスタマーハラスメントというと、一般顧客と企業との間でのトラブルがイメージされますが、
事業者間(企業の担当者間)での言動もカスタマーハラスメントに該当する場合があります。

<カスタマーハラスメント対策>

カスタマーハラスメントへの対応は、「平常時に行うこと」と「カスタマーハラスメント事案発生時に行うこと」の二つに分けることができます。

(平常時に行うこと)
*自社において、どのような言動をカスタマーハラスメントとするか検討する
*「カスタマーハラスメントには厳格に対応する」という会社の方針を社内外に発信する
*相談窓口(担当者)の設置など、被害を受けた従業員を支援する体制を整備する
*カスタマーハラスメントに該当する行為の内容や行為への対応手順を従業員に周知する

(事案発生時に行うこと)
*事実関係を確認する
*脅迫・暴力行為やセクハラ行為が発生している場合は、現場の管理者や上長が対応を引き取る、弁護士や警察と連携して対応する、など安全確保のための措置を取る
*事案を社内で共有するなど、再発防止のための取り組みを実施する


会社は従業員の安全を守ることを最優先する必要があります。
一方で、「商品やサービスに不備があったことによる正当なクレーム」や「商品やサービスの改善につながる貴重な意見」と
「カスタマーハラスメント」との間の線引きが必要でしょう。


業種や企業によって、カスタマーハラスメントに該当する言動は異なります。
そのため、「どのような状況・状態における、どのような言動をカスタマーハラスメントと判断するか」という点を検討することが、対策の第一歩となります。


記事の内容は、公開日時点の法令に準拠しています。
————————————————————————–
 東京目黒区 ◇ 社会保険労務士
 社労士事務所 SteadyStep <ステディステップ>
 過去のブログはこちら↓
 https://steadystep.donati.jp/blog/index/
————————————————————————–
(C)2024 社労士事務所SteadyStep

Access

事務所情報

Company

社労士事務所 SteadyStep

Address

〒153-0061
東京都目黒区中目黒3-6-2 中目黒F・Sビル5F

Representative

社会保険労務士 秋澤 一宏

License Number

13200288(東京都社会保険労務士会)